Automatic world
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\n私が今回取り組んだテーマは紙幣を使ったAutomaticPaintingシリーズを更新する事です。
\nAutomaticPaintingとは、2016年から始めた、私が考案したコラージュ手法です。同型にカットした紙幣を混ぜて見ないで(素材を見ないで手で掴み)順番に貼っていく事で視覚判断をしない事で生まれる視覚パターンの効果を使う手法です。当初は入手しやすい$紙幣からスタートし、その後世界中の紙幣を使う過程で、100カ国の紙幣を混ぜたWorldAutomaticシリーズに発展しました。
\n今回は主にこのWorldAutomaticシリーズの視覚効果や造形要素に、絵画のSquare構造から逸脱したオブジェのフレーム構造を、具象(人物や風景)抽象(幾何形態)の両方向で展開を試みました。
\n金沢21世紀現代美術館副館長の黒澤さんとオープニングの際お話した時、興味深い感想を頂きました。
\nトークイベント、飛入りゲストの21世紀美術館副館長の黒澤さん、紙幣のバーチャル感についての指摘が面白かった。彼が言うには、この作品はバーチャル世界の電波を発信してるらしいです 。
\n黒澤さんのコメントを自分は紙幣が作り出した歴史や文明そのものが人間が地球に作り出したバーチャルな世界だという指摘と解釈した。
\n確かに自然から文明に隔離された人工世界は物理的なバーチャル世界とも見える。その錯覚を生み出すエンジンが人間の思考でエネルギー源が紙幣通貨で動く物質文明だろう。
\nそのバーチャルな人間世界を表現するツールとして紙幣抽象絵画は働いている、という見方が新鮮。紙幣の使い道を逆転した美術。
\n紙幣の機能を奪って、眺めると世界が一瞬静止した様な感覚がある。絵画として静止させた強大な人間エネルギー→バーチャルワールドの一瞬とも視える。
\n世界中の紙幣を混ぜる事で多様な解釈が生まれる事と、オプアート的な錯覚現象を起こす配置パターンの効果で何か電波の様なエネルギーを発生させる効果もご指摘頂いた。今ココで発信されている何か。
\n人のシルエットで切り抜いたタイプは、人により絵画とも彫刻とも取れるとも指摘。自分は背面の無い平面作品は絵画と解釈している。
\nだが、レリーフと観れば彫刻なのかもしれない。
\nこれら紙幣表現について、作品として発展するスタートラインであり素材と表現の特異性についてご感想を頂けて、大いに制作意欲と可能性を掴めた有意義なトークイベントでした。
\n私が社会や世界というフレームで作品を創造する時、そこには社会やシステムの外側も含んだ世界を前提にしている。
\n自然、地球、人間の思考や潜在意識、集合意識、宇宙、エネルギー、それ等バランスの中でビジョンが生成されていく。